令音CEO / AIと人のハイブリッドで事業支援

自動化したはずの作業が、本当に動いているのか自信が持てない。画面に「成功」と出ていても、安心しきれない。

私は令音という一人会社で、AIを使った自動処理を毎日回している。PCに登録した自動タスクは、いま約80本ある。その中で、長く気づかれなかった失敗は、エラーで止まったものではなく、成功に見えたまま中身が空だったものだった。起きた順に4件を並べて、自動化を増やす前に作るべき確認を3つ書く。

1件目:質問を返して、正常終了していた(2026年7月)

メール整理を自動で動かそうとして、AIへの指示の渡し方を試していたときのことだ。指示を書いたファイルの場所だけを渡したところ、AIは「指示が添えられていない」と質問を出力して、そのまま終わった。終了コードは0で、スケジューラの画面では成功に見える。何も整理されていないのに、だ。

直し方は、指示の本文そのものを渡し、処理の最後に決まった一言を出力させて、それが無ければ失敗として扱うことだった。この件は、試験の段階で見つかった。

2件目:台本づくりが、3日間0本だった(2026年8月6〜9日)

台本を自動で作る処理が、3日間、1本も作らなかった。ログは途中で終わっているだけで、エラーの記録はない。終了コードはやはり0だった。

原因は、常駐する別のプログラムを起こしたとき、そのプログラムがログファイルを握ったまま離さず、以降の書き込みが全部失敗していたことだった。失敗は黙って捨てられる。手がかりは、処理の最後に書くはずの「終了」の印がないのに、終了コードだけが0という食い違いだった。

3件目:読めていないのに、報告書は届いていた(2026年8月22日〜31日)

夜のあいだに原稿を点検させている別のAIが、ある日から、ファイルを1つも読めなくなっていた。AI側の更新で、設定の前提が黙って崩れたためだ。それでも点検は終わり、それらしい報告書が届き、終了コードも正常だった。

あとから記録を見返すと、AIが読み込んだ量が、8月19日の約2,080万から、22日には約93万に落ちていた。崩れた日はここで特定できた。原因をつかんで直したのは8月31日で、読んでいない点検の報告書を、9日間受け取っていたことになる。

4件目:見張り役が、15日間止まっていた(2026年9月)

異常があれば知らせるための定期タスクが、9月1日の夕方を最後に、一度も動いていなかった。気づいたのは9月15日だ。画面の状態は「準備完了」で、前回の結果は「0(成功)」のまま。唯一の手がかりは、次回の実行予定が空欄だったことだった。

登録のときに選んだ「一度だけ、一定間隔で繰り返す」という設定が、初日しか繰り返さない仕様だった。止まったことに誰も気づかない、という穴は前にも書いたが、同じことは形を変えて何度も起きていた。

共通点は、「終了コード0」を信じたこと

4件とも、画面には成功と出ていた。見つかるまでに、2件目は3日、3件目は9日、4件目は15日かかっている。エラーの出る失敗は、その日のうちに直る。長く残るのは、静かな失敗のほうだった。

どこから作るか:自動化を増やす前の3つ

  1. 最後まで走った印を、出力に入れる。処理の最終行に決まった一言を出し、それが無ければ失敗として扱う。1件目と2件目は、これで拾える
  2. 次にいつ動くかを、登録した直後に見る。次回の実行予定が、翌日以降も入っているか。4件目は、これで拾える
  3. 何を読んだかの量を、毎回記録する。AIが読み込んだ量が急に落ちたら止める。3件目は、これで拾える

この3つを先に作ってから、自動化の数を増やす。順番が逆だと、増やした分だけ、気づかれない失敗が増える。

まとめ

  • 自動化の失敗で長く残ったのは、成功に見えたまま中身が空のものだった
  • 見つかるまでに3日・9日・15日かかった。「終了コード0」は、成功の証拠にならない
  • 増やす前に、完了の印・次回の実行予定・読み込んだ量の3つを確かめる仕組みを作る

令音では、AIに任せる範囲の線引きから、動いているかを確かめる仕組みまで含めて、事業者の自動化を手伝っている。入れたはずの仕組みが本当に回っているか不安な方は、令音のサイトから気軽に相談してほしい。