この記事でわかること

「AIで画像を作って売れば稼げる」という話を、SNSやニュースで見たことがある人は多いはずです。この記事では、AI生成画像を大量に作りストックサイトで委託販売する「黒子型AI副業」の実例と、その裏側で2026年に入って強まっている審査ルールの変化を、公開されている情報をもとに整理します。読み終えるころには、自分がこの副業に向いているかどうかを判断する材料が手に入ります。

「黒子型AI副業」とは何か

「黒子型AI副業」とは、自分の顔や名前を前面に出さず、AIで作った素材を量産してストックサイトなどに委託販売するスタイルの副業を指す呼び方です。インフルエンサーのように発信力で稼ぐのではなく、裏方に徹して数をこなすことで収益を積み上げる点が特徴とされています。

PRESIDENT Onlineが報じた実例

この呼び方が使われた具体例として、PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)が2026年5月に掲載した記事があります(「ありふれた画像」を5万6000点量産して月収10万円…「黒子型AI副業」の始め方)。

記事によると、実践しているのは30代の無線通信評価エンジニアの男性で、副業を始めたのは「2年前」。当初はChatGPTで画像生成を試していましたが、思った通りの仕上がりにならず、画像生成AIとして人気の高かった「Midjourney」に切り替えたとされています。作った画像は写真やイラストを扱うストックサイトに登録し、委託販売する形で収益化。タイトルにあるとおり量産数は5万6000点にのぼり、現在の月収は10万円、本人は月収20万円を目標に取り組んでいる、と報じられています。1カ月で30点を作った段階で「売れる戦略」をつかんだ、という記述もありました。

2026年に入って強まった審査の壁

ここで見落とせないのが、ストックサイト側のルールが2026年に入って大きく動いている点です。国内最大手のストックフォトサービスPIXTAは、公式ガイドで2026年4月20日付でAI生成素材の受け入れを停止したと案内しています(AIによって生成した作品(画像・動画)を販売できますか?)。プロンプトのみでゼロから生成した画像や、既存の写真をAIで変換しただけの画像は、販売・投稿の対象外とされています。海外大手のAdobe Stockでも、AI生成画像に対する審査が以前より厳しくなっている、という指摘が複数のクリエイター向けメディアで見られます。

つまり、上記の実例で紹介された「2年前」からの取り組みは、今よりもAI生成素材に寛容だった時期を含んでいる可能性が高いということです。これから同じやり方を始めようとする人は、当時と同じ土俵に立っているわけではない、という前提を持っておく必要があります。

それでも成立する道はあるか

審査が厳しくなったからといって、AI生成物をまったく収益化できなくなったわけではありません。PIXTAのガイドも「AIをまったく利用しない制作は考えられない」としたうえで、どこまでのAI加工なら受け入れ可能かを個別に定めています。つまり、AI任せで大量生成したものをそのまま流し込むのではなく、どのサイトが・どの程度の人の手による加工や編集を条件にしているのかを、登録前に一件ずつ確認する作業が欠かせなくなっている、ということです。

これから「黒子型AI副業」的なやり方を検討するなら、次の3点を先に確認しておくと判断がぶれません。

  1. 登録を考えているストックサイトが、現時点でAI生成素材をどこまで認めているか(サイトごとに基準が異なります)
  2. 量産数ではなく、1点あたりにかけられる手直し・編集の時間をどのくらい確保できるか
  3. 月収10万円という数字が、何年かけて積み上げられた結果なのか、記事の情報からどこまで読み取れるか

「量産すれば稼げる」という見出しの手前にある条件を、自分の状況に照らして確認してから動き出しても遅くはありません。

Sources: - 「ありふれた画像」を5万6000点量産して月収10万円…「黒子型AI副業」の始め方 - AIによって生成した作品(画像・動画)を販売できますか? | PIXTAガイド