GEOECONOMICS SERIES

制裁、関税、半導体、資源、海運。
同じ地図の上で読む。

経済が国家の道具として使われる場面を、見取り図から理論と実証まで4冊でたどるシリーズです。どの巻からでも読めます。

『地経学の全体像』表紙 『地経学入門』表紙 『戦争と地経学』表紙 『地経学の理論と実証』表紙
全4巻・完結 図版180点 Kindle/ペーパーバック tohru.kawaai 著

なぜ4冊あるのか

同じ対象を、4つの深さで扱っています。

制裁、輸出規制、資産凍結、資源、海運——ニュースは断片で流れてきます。どれも別の話に見えますが、国家が経済を道具として使うときの筋道は、驚くほど共通しています。

その筋道は、見取り図として1冊で眺めることもできるし、枠組みとして丁寧に確定することもできるし、実際の戦争を題材に条件ごとに読み分けることもできるし、推定できる形に書き直して検証することもできます。必要な深さが読む人によって違うので、4冊に分けました。

4冊は積み上げ式ではありません。前の巻を読んでいないと分からない、という作りにはしていません。重なる部分は各巻で必要なぶんだけ書き直してあります。1冊だけ読んで終わりでも成立します。

どれから読むか

目的から選べます。迷ったら『地経学の全体像』が入口です。

ニュースを自分で読めるようになりたい/まず全体を眺めたい
『地経学の全体像』
7つの手段を同じ物差しで並べた見取り図。122頁・数式なし。いちばん短く、いちばん安い巻です。
用語と枠組みを、あいまいさなく押さえたい
『地経学入門』
「地経学」という言葉が指す範囲を確定し、手段ごとに何がどこを通って届くのかを分解します。シリーズの土台。
いま起きている戦争を、経済の側から読み直したい
『戦争と地経学』
同じ手段が条件で結果を分けた事例を、章ごとに二件以上の比較で。各章末に「誰が代金を払うのか」を置いています。
論文の主張を検証したい/研究・講義で使いたい
『地経学の理論と実証』
主張をモデルに書き直し、データから識別できるかを検討する手続き。学部上級〜大学院導入。数式を使うのはこの巻だけです。

4巻の内容

刊行順ではなく、読む順に並べています。

見取り図

地経学の全体像――ニュースを自分で読むための五つの質問

7つの手段を、一冊で見渡す

取引そのものを禁じる(制裁)、入ってくるモノに値札を足す(関税)、出ていくモノと技術に許可を求める(輸出管理)、資本を審査する(投資規制)、支払いの経路を止める(資産凍結・決済遮断)、供給を絞る(資源・食料)、運ぶ手立てを止める(物流・海運・保険)。この7つを同じ物差しで並べます。

  • 手段ごとに「何を止めるのか」「通れるかどうかは何で決まるのか」「最初に代金を払うのは誰か」
  • 読み終えたときに手元に残る、五つの質問
  • 「なぜそう言えるのか」と思った箇所から『入門』へ進むための対応表
41,563字/図版26点/紙122頁・105×173mm/数式なし
電子 ¥980 ・ ペーパーバック ¥1,280
土台

地経学入門――国家は経済をどう使うのか

用語と枠組みを確定する

海外への送金も、部品の通関も、外国株の売買も、ふつうの商取引です。ところが同じ行為が、ある日を境に「制裁の対象」と呼ばれる。取引は何ひとつ変わっていないのに、です。この境目のあたりで起きていることを指す言葉が「地経学」です。

  • 問うのは「どれくらい効いたか」ではなく「どういう仕組みで効くのか」。だから数式は使いません
  • 制裁・関税・輸出管理・投資規制・通貨と決済・資源とエネルギー・半導体とAI・物流と海運を、手段ごとに分解
  • 通説として流通しているが研究の側では否定・未決着の話を、確かめられた話と同じ顔で並べない
136,839字/図版32点/紙259頁・105×173mm/数式なし
電子 ¥1,480 ・ ペーパーバック ¥1,980
事例

戦争と地経学――経済で戦う時代に、何が観測できるのか

条件が結果を分けた場面を読む

戦争のニュースには経済的な手段が次々と登場します。だが、それぞれが何を狙い、誰が代金を払い、どこまで効いたのかは、記事を読むだけでは判定できません。本書は同じ手段が違う条件のもとで結果を分けた事例を、章ごとに二件以上の比較で示します。

  • 制裁・資産凍結・輸出管理・海運保険・第三国迂回を、手段ごとではなく条件ごとに
  • 各章の終わりに必ず置いた「誰が代金を払うのか」の節
  • 手段の是非は判定しません。判定を始めた瞬間に、渡そうとしている道具が使えなくなるからです
  • 典拠が取れなかったものは巻末で開示。確認できた版と、書かなかった数値を表にしています
147,070字/図版43点/紙333頁・105×173mm/数式なし
電子 ¥1,480 ・ ペーパーバック ¥1,980
新刊・上級

地経学の理論と実証――モデル・データ・識別

「制裁は効いたのか」を、推定できる形に翻訳する

この分野について、私たちは大量の主張を目にします。だがその主張のほとんどは、そのままでは検証できません。何を「効いた」と呼ぶのか。その量は、手元のデータで識別できるのか。答えを配る本ではなく、判定する道具を渡す本です。

  • 各章が三つの層でできています。モデルの層(何を仮定すると何が導かれるか)、識別の層(そのパラメータをデータから取り出せるか)、限界の層(この章が到達できなかったのはどこか)
  • 同じ現象に反対の結論が出ているとき、たいていは「どちらが正しいか」ではなく測っている対象と識別の戦略が違う。その違いを推定設計のレベルで説明します
  • 準備章が、本書で使う経済学・計量経済学の道具を必要な範囲で配ります
  • 演習はRで統一。実際に動かした手順だけを書き、動かしていないものはそう明記しています
264,044字/図版79点/独立行の数式75本・R演習12本/紙244頁・大判7.5×9.25インチ
電子版の図版は藍の単色インク/学部上級〜大学院導入
電子 ¥1,650 ・ ペーパーバック ¥2,980

シリーズを貫く五つの質問

『全体像』と『入門』が渡すのは知識の一覧ではなく、この手順です。

この五つを当てられれば、次に同じ種類のニュースが流れてきたとき、解説を待たずに自分で読めます。

4冊に共通する作法

扱う深さは違っても、書き方の約束は同じにしてあります。

分かっていないことは、分かっていないと書く

通説として広く流通しているのに研究の側では否定されていたり、まだ決着がついていなかったりする話を、確かめられた話と同じ顔で並べません。

出典にあたる

条文・条約マニュアル・査読論文の原文にあたり、引用は出典を明示します。引用する推定値は公刊版のもので、公刊版を確認できなかった文献は、その旨を明記して数値を書いていません。

是非は判定しない

ある手段が正しいか間違っているかは書きません。判定を始めると、読む人が自分で判断するための道具が使えなくなるからです。

誰が代金を払うのかを、必ず書く

見えない費用を見えるようにしないと、この分野の議論は必ず片側に寄ります。狙っていない誰かに何が起きるのかを、各巻で扱います。

図で構造を示す

4巻あわせて図版180点。すべて白黒で読めるよう、線種と網掛けだけで意味が通るように作図しています。

情報の基準時点を明記する

この分野は動きが速いので、各巻の冒頭に「どの時点までの情報で書いたか」を明記しています。

著者について

T

tohru.kawaai(川合亨)

図書館・情報整理の実務に携わりながら、AIとの共同制作で「調べて、体系立てて、伝える」本作りをしている書き手。

このシリーズは、断片で流れてくる経済のニュースを、解説を待たずに自分で読めるようにすることを目指して書きました。分からないことを分かったふりで埋めないことを、4冊を通しての約束にしています。

ほかの著作を見る(REIOWN Library)

よくある質問

購入前に迷いやすいところをまとめました。

4冊とも買う必要がありますか?

ありません。前の巻を読んでいないと分からない、という作りにはしていません。重なる部分は各巻で必要なぶんだけ書き直してあるので、1冊だけ読んで終わりでも成立します。目的に合う巻を「どれから読むか」から選んでください。

数式は出てきますか?

『地経学の理論と実証』だけです。ほかの3冊は数式を使いません。仕組みを追うことが目的なので、言葉と図で足ります。上級編だけは、仮定を外したときに結論がどう変わるかを追えるようにするため、形式モデルを実際に式で書いています(独立行の数式75本)。

紙と電子、どちらがいいですか?

どちらでも読めるように作ってあります。図版が多いシリーズなので、じっくり読むなら紙が読みやすいかもしれません。『地経学の理論と実証』の電子版は、図版を藍の単色インクで作り直してあります(紙版は白黒)。

予備知識は必要ですか?

『全体像』『入門』『戦争と地経学』は、経済学の予備知識を前提にしていません。『地経学の理論と実証』は学部上級〜大学院導入で、準備章が本書で使う経済学・計量経済学の道具を必要な範囲で配ります。

内容はいつ時点のものですか?

各巻の冒頭に「情報の基準時点」を明記しています。この分野は動きが速いので、その日以降の出来事は本文に反映されていません。基準時点より後の展開は、本書の枠組みを使って読者が自分で読めるように書いてあります。

シリーズは完結していますか?

はい。『地経学の理論と実証』(2026年8月)で全4巻が揃いました。

どの巻からでも読めます

迷ったら、いちばん短くていちばん安い『地経学の全体像』から。122頁・数式なしで、7つの手段を見渡せます。

『地経学の全体像』表紙 『地経学入門』表紙 『戦争と地経学』表紙 『地経学の理論と実証』表紙
『地経学の全体像』から読む